家族や職場の人たちとの日常会話において、
「怒り」という感情を持ってしまうことは珍しいことではありません。
いくら仲のいい間柄でも、「怒り」の感情を持ってしまうことはあります。
その「怒り」の感情をストレートに相手にぶつけてしまうと、そのことがしこりとなって、その後の人間関係に非常にまずい影響を残してしまう場合があります。
では、その「怒り」の感情をうまくコントロールする方法はあるのでしょうか。
「怒り」は第二感情である
「怒り」は、心理学ではよく第二感情(2番目にくる感情)だと言われています。
私たちは「怒り」を感じる前に、
恐怖、悲しみ、不安、心配など(第一感情)を先に感じています。
「怒り」はそのあとにやって来るので第二感情となるのです。
わかりやすい例を挙げてみましょう。
あなたは、ショッピングモールで子供を連れて買い物に行きました。
商品を選んでいるうちに、ふと気が付くと、さっきまでいた子供がいなくなってしまいました💦
あなたの全身から急に血の気が引いていきます。
慌てて、周囲を走り回り、子供を探します。
その間、あなたは、「悪い人に連れ去られていたらどうしよう!!)
と最悪のケースまで想像します。
サービスコーナーへ行って、子供が迷子になったことを店員さんに必死で説明しているとき、
何食わぬ顔をした子供が店員さんに連れられてきました。
さあ、その時、あなたは子供に向かってどのように接しますか?
よくあるのが
「どこいってたの!あれだけ、勝手にどっか行ったらアカンって言ってるのに!
ほんまにあほな子やな!」と子供を叱りつけるというものです。
このケースでは、子供が見つかって、ほっとして安心したにもかかわらず、まず子供に対して見せたのは、「怒り」でした。
では、なぜ子供が見つかったのにお母さんは怒ってしまうのでしょうか。
お母さんの気持ちになって、感情の流れを分析してみましょう。
子供が迷子 → 不安、恐怖、心配(第一感情)
子供が見つかる → 安堵の後に怒り(第二感情、もしくはこの場合は安堵の後に来ているという意味で、第三感情というのが正確かもしれません)
お母さんの、凄く心配したし不安な気持ちになったという感情が、「怒り」という感情に変わっていったんですね。
このように細かく感情の流れを分析してみると、「怒り」は最初に湧き出てくる感情ではなく、不安や恐怖、心配などネガティブな感情の後にもたらされるものであるとわかります。
「怒り」は「怒り」をもたらす
子供が迷子になってしまった例からわかるように、「怒り」の感情の前には、ネガティブな感情があるということがわかりました。
しかし、多くの人が第一感情に気づくことなく、「怒り」を表すことが多いのではないでしょうか。
あなたの「怒り」は相手にも「怒り」をもたらします。
「怒り」×「怒り」で後々まで尾を引くことになってしまったなんてこと、ありませんか。
では、ここで別の例を挙げてみましょう。
あなたは、19時に大好きな彼氏とデートの待ち合わせをしています。
彼女は、約束の時間より少し早めに来ました。
ところが約束の19時を過ぎても、彼は来ない。
何か連絡は、と思いスマホを見ても連絡はない。
電話をかけても繋がらない。
とうとう19時30分になろうとしています。
だんだんあなたは心配になってきました。
何かあったんだろうか・・・
とそこへ、彼氏が慌ててやってきました。
彼は「ごめん、ごめん💦」と謝ります。
でも、あなたは彼氏に怒ってこう言ってしまいました。
「もう、あたし30分も待ってたのよ!約束の時間守ってよ。電話も出ないし!
遅れるなら遅れるって連絡してよ!」
すると彼氏は、売り言葉に買い言葉で、
「仕方ないだろ、こっちだって仕事で大変だったんだから!連絡だってできないことだってあるんだ!」
と怒ってしまいました。
この後の、二人のデートは楽しいものになるでしょうか。
「怒り」の感情をコントロールして丸い人間関係を築くための簡単2ステップ
私たち人間は感情を持った生き物です。
「怒り」と言うのは、その感情のうちの一つであり、良い悪いで判断できるものではないと思います。
しかし、前述した例のように、怒りをぶつけてしまうとさらなる怒りを呼び込み、健全なコミュニケーションを築けなくなってしまう可能性があります。
では、ここで「怒り」の感情をコントロールして丸い人間関係を築くための簡単2ステップをご紹介しましょう。
①怒りの感情が込み上げてきたら、深呼吸をしてみよう
怒りの感情が湧いて来たら、腹式呼吸でゆっくり深呼吸をしましょう。
私たちが怒りを感じたとき、交感神経が優位に立ち、アドレナリンが分泌されて戦闘モードに入ります。深呼吸をすると、副交感神経が優位に立つので気持ちが静まっていきます。また、深呼吸している間に、アドレナリンの分泌も少なくなっていきます。
②怒りを感じる前の「第一感情」を相手に素直に伝えてみよう
ゆっくりと深呼吸をすることで、自分の感情を整理することができます。
そうしたら、自分の気持ちを素直に相手に伝えてみましょう。
不安を感じたのか、恐怖を感じたのか、心配だったのか。
前述のカップルの例だと、
彼氏: ごめん、ごめん💦
彼女: 遅いからすごく心配しちゃった💦電話も繋がらないから、なんかあったのかもしれないって思って、気が気じゃなかった。
彼氏: 心配かけちゃってごめん💦
帰り間際に仕事でトラブルがあって、遅くなったんだ。
電話しようと思ったけど、電池が切れていて、とりあえず、慌てて走ってきたんだ。
ホント、ごめん💦
いかがですか?
彼女が彼氏に怒りをぶつける代わりに、本当に感じていたこと(第一感情)を素直に伝えたら、随分彼氏の態度が変わったと思いませんか?
このことで、彼氏はますます彼女のことが好きになること間違いなし???
かどうかはわかりませんが、この後のデートは間違いなく楽しいものとなるでしょう。
まとめ
では、ここでまとめてみましょう。
- 「怒り」は第二感情である。
- 「怒り」は別の「怒り」をもたらす。
- 「怒り」をコントロールして丸い人間関係を築くことができる。
- 「怒り」を感じたら、まず深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
- 「怒り」の前の第一感情を素直に相手に伝える。
「怒り」も私たちの大切な感情の一つです。
しかし、だからと言って「怒り」に任せて言いたい放題では、大切な人間関係を壊してしまいます。
「怒り」の前にある、第二感情を考え、少しでも冷静に対応していくことが丸い人間関係を築くことに繋がると思います。
簡単2ステップと書きましたが、実際にはなかなかうまくいかないかもしれません。でも、意識するだけでも随分変わると思いますよ。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
人間関係をよくしたいって方は、こちらの本が役に立ちます。
「聞きかた」「話し方」一つで人間関係がどんなに変わるのかがよくわかります。
ぜひ、参考になさってください。
コメント