我が家には、可愛いおじいちゃんがいる。
夕食を「あー、美味しい、美味しい」といって食べてくれる。
何度も何度も
美味しかった、美味しかった、ありがとう、ありがとうって言ってくれる。
お風呂に入れてあげると
あ~気持ちがいい、ありがとう、ありがとうって
とっても喜んでくれる。
でも、
おじいちゃん、困ったことに
いろんなことを忘れてしまう。
そのことを指摘したら、
「なんや、わしボケてるな」って言ってる。
(私の心の声 はい、ボケてます)
朝、朝食を食べたことも時々忘れてしまって
「朝から何も食べさせてもらってない」って言うことがある。
で、私は、
「おじいちゃん、私は今まで一度も朝食の用意をしなかったことないよ。そんなこと言ったら、私、泣いちゃうよ。」
って言ってみた。
そしたらおじいちゃん、
「はい、もう口が裂けても言いません」って言った。
時々そんなユーモアで私を笑わせてくれる、可愛いおじいちゃん。
いろんな人の話を聞くと、
介護で身の回りの世話をしているのに、悪態をつかれた、暴力をふるわれたとか悲しい話を聞くことがあるけど、
うちのおじいちゃんは、可愛いおじいちゃんだ。
ある日、私はあることに気が付いた。
いつも、ありがとう、ありがとうって言ってくれる、そんなおじいちゃんに
私の心は癒されているんだってことに。
仕事を持っているから、申し訳ないくらい手抜き介護になっているのにもかかわらず、
おじいちゃんは、毎日毎日、喜んで感謝してくれている。
私は介護しているっていう立場であるには違いないけど、
おじいちゃんの言葉と喜んでいる顔を見て
私の心はおじいちゃんに癒してもらっているんだなって、つくづく思う。
だから、おじいちゃんをお風呂に入れてあげることが、とっても楽しい。
こんな気持ちにさせてくれたおじいちゃん、ありがとう。
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